(6)必殺技の応酬!『自由玉の部』について ※過去5大会の成績表つき

どうも!「大曲の花火」の真剣勝負に魅了されている筆者です。

皆さん、自由玉ってご存知でしょうか?

自由玉は花火用語ではありません。1つ前の投稿で紹介した課題玉(芯入り割物)と対をなすのが自由玉です。いわば”大曲の花火用語”です。

芯入り割物は「真円に開くか?」などの審査ポイントが定まっている日本古来の伝統花火ですが、自由玉は、創造性、新規性、自由な発想にポイントが置かれる花火です。

※前回の投稿同様、写真は競技玉ではありません。。それに、自由玉こそ写真や動画がないと説明が難しくて、どうすれば魅力を伝えられるか悩みながら筆を進めています。。

ですが、最後に戦績表を付けましたので 良かったら最後まで見てって下さい。

 

自由玉の部とは

■概要

競技は10号玉1発で競われます。10号玉イコール尺玉で、直径は約30cmです。大会の規定で『芯入割物の部と重複しない自由創造的な花火』と定められています。

評価法は、これはあくまでも私なりの定義ですが、たった一発の花火でいかに驚きと感動を与えたか、更に一言で言えば「どよめかせたか」が問われます。いかに技術力の高さを感じさせ、唸らさせたかが鍵になる競技と言えます。

花火師さんが自社の得意玉をブラッシュアップさせた極上の一発で勝負に挑んで来られるので、こちらも一瞬も目が離せない まさに必殺技対決が楽しめる競技です^^ 7色に変色する花火やネオンサインのように光が移動する花火。 孔雀が羽を広げた瞬間をイメージした花火や ヒマワリ畑が一瞬にして目の前に現れたような花火。などなど・・・

名うての花火師が、観客から「スゲエェェー」の声を引き出すため工夫を凝らした芸術玉が披露される。それが『自由玉の部』です。

写真は「はなび ちか路」で撮影したものです。拝借させていただきました。 まさに会場中がどよめきに包まれ 、インパクト抜群だった2013年の優勝作品です。

 

■楽しみ方

1つ前の投稿で紹介した『芯入り割物』の玉名は、ずらずら漢字が並んだお経のような固い玉名でしたが、『自由玉』は楽しそうな玉名が並びます。花火で表現しようとするモチーフをうたったもの、その花火が描く情景をあらわすもの、プロレスの必殺技みたいなカッコいいもの。

昼花火同様、玉名からイメージされるテーマ性を花火で表現、演出できているかも審査ポイントであり、タイトルワークの巧みさも問われるため、花火師さんが深く悩んで名付けた玉名になっています。

私がオススメしたい楽しみ方は、プログラムを購入して手元に置き、割物2発が上げられる直前に玉目を目視確認し、頭に入れた状態で見ることです。玉名は打ち上げ前に場内アナウンスが読み上げますが、音声だけでは案外あたまに入らないので目にすると頭に入ります。

花火の上昇を目で追いながら、今からどんな花火が開くのかワクワク想像しつつ見ると楽しみが増すので、筆者はプログラム片手の観戦をオススメします。

写真は「はなび ちか路」で撮影したものです。拝借させていただきました

 

■2009年が転換期?

今から書く内容は、「大曲の花火 秋の章」のプロデュースなど多方面で活躍されている(花火研究家)小西亨一郎さんの【konyのブログ】に書かれていたお話しです。『自由玉の部』がどの様に変革していったかのお話しです。


2008年の大会が終わり、その年の11月、大曲の花火実行委員会は10数名の花火師を大曲に集め、意見交換会(ヒアリング)を行いました。その中で、特に「自由割物」について多くの意見が出たそうです。 参加した花火師からは「このままでは多重芯の競技大会になりかねない」「創造性の高い自由割物をもっと評価すべきだ」との主張があり、下記の調整がなされました。

  • 課題玉「三重芯以上の伝統的花火」
  • 自由玉「課題玉とは重複しない割物で、創造性、新規性、自由な発想にポイントを置くこと」

この規定により、2009年の大会は前年とは打って変わって、【課題玉では より高度な多重芯に挑戦する花火師が増え】、【自由玉は実に手の込んだ創意工夫された作品が増え】、出品作品に最も劇的変化が起こった歴史的な大会になった という事です。

それまでの10号玉2発で1セットという考え方から、【課題玉は、伝統的究極の多重芯】、【自由玉は、自社の得意玉を取り入れ、創意工夫を生かした割物の披露】へと それぞれに発展していく転換期になったのが2009年の事でした・・・というお話しでした。

 

↓成績一覧はこちら

成績一覧 自由玉の部 ※過去5大会分 玉名付き! 

 


ー次回予告ー

次回、年に一度、一番魅了させたもん勝ち。『創造花火の部』を紹介するの巻き

お楽しみ に!

 

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